独立開業でよくあるのが、あなたの友人や、以前に勤めていた会社の先輩、後輩と一緒に会社を設立するケースです。
確かに自分一人で会社を作るより、仲間がいた方が、心強いかもしれません。
それぞれの得意分野で、役割分担することで、上手くいく場合もあります。
もともと仲の良い人達ですから、ビジネスの話をする時は、盛り上がるし、楽しいと思います。
でも、仲良しで会社を設立すると、失敗することも多いので注意してください。
例えば、4人で会社を作る場合を考えてみましょう。
まず出資金が 1/4 になるので、負担が少なくなります。
また、それぞれの得意分野が、企画、開発、営業、経営などに分かれていれば、上手く役割分担することができそうです。
このように共同経営は、メリットが多いように感じます。
でもここに落とし穴があります。
出資金の割合が同額だと、最終的に誰が責任を取るのか、はっきりしなくなります。
社長を決める時に、「とりあえず一番年上で、経験が豊富な○○さんに」というのは、一番よくありません。
会社の社長は、強いリーダーシップが求められます。
社長に年齢の上下は関係ありません。
あなたが一番年下でも、社長に適しているかもしれません。
逆にあなたより年下でも、社長に向いている人がいるなら、その人を推すくらいの気持ちが必要です。
会社は、最終的に誰が責任を負うかのか、明確にしなければ上手くいきません。
それに友人や先輩には、どうしても厳しいことを言い難くなります。
したがって、あなたが社長になり、最終的な責任を自分でとる覚悟が無い限り、共同経営は避けるべきです。
どうしても仲の良い人と一緒に仕事をしたいのなら、従業員として雇ってもらうという働き方もあります。
また今現在、友人(仲が良い)ということは、あなたと意見が合う人だと思います。話していても楽しいでしょう。
このような友人は、育ってきた環境が似ているため、あなたと似たタイプであることが多いと思います。
でも会社では、考え方の違う人の意見も大事です。
同じような考え方の人ばかりだと、同じような視点で物事を見ている可能性があるため、重要な決断をする時に、リスクが見えないことがあります。
また、友人であるということは、能力的にもそれほど差は無いはずです。
しかし、社長として会社を経営するなら、あなたより優秀な人を雇い、仕事を任せるくらいの器量がないと、会社は成長しません。
会社が成長するに従い、設立メンバーでは役不足なことも出てきます。
その場合には、新しい人に重要なポジションに就いてもらう必要があります。
でも友人となると、ポジションを外すのを躊躇してしまいます。これは会社にとってマイナスになります。
だから友人や先輩と一緒に会社を作る時には、十分に注意してください。
あなたが社長になって、責任を負う覚悟が無いなら、会社を作るのは考え直すべきです。
ビジネスが失敗すると、大切な友人まで失ってしまう可能性もあるのですから。